気象予報

2024年夏はかなり暑い ラニーニャ現象に近い海面水温分布で「高温となるリスクが高い」7月から9月の3か月予報

気象庁3か月予報 2024年夏

気象庁は6月25日、7月から9月の天候予想(季節予報・3か月予報)を発表しました。気象庁異常気象情報センター 田中昌太郎所長が、今年の夏の期間は「全国的に高温が予想され、十分な熱中症対策を行っていただきたい」と会見を行いました。

7月、8月は全国的に高温となる見込み。9月の平均気温は北日本で平年並みか高く、東日本から沖縄・奄美では平年より高くなる見込みで、ラニーニャ現象に近い海面水温分布となることなどから、3か月を通じて「高温」と予想しています。

エルニーニョ現象は2024年5月までに終息 今後、ラニーニャ現象発生可能性は60%

7月から9月の天気 気象庁全国3か月予報

エリア別の3か月予報

          

 

向こう3か月の気温は全国的に高い 予報のポイント

  • 全国的に暖かい空気に覆われやすいため、向こう3か月の気温は高いでしょう。
  • 西日本では湿った空気の影響を受けやすい時期があるため、向こう3か月の降水量は平年並か多いでしょう。

 

2024年7月から9月の全国3か月季節予報

全国 3か月予報(07月~09月)
2024年06月25日14時00分 気象庁 発表
07月~09月 気温 平均気温は、北日本で高い確率50%、東・西日本で高い確率60%、沖縄・奄美で高い確率70%です。
降水量 降水量は、西日本で平年並または多い確率ともに40%です。
07月 天候 北日本と東日本日本海側では、平年と同様に曇りや雨の日が多いでしょう。東日本太平洋側と西日本では、期間の前半は、平年と同様に曇りや雨の日が多いでしょう。期間の後半は、平年と同様に晴れの日が多いでしょう。沖縄・奄美では、平年と同様に晴れの日が多いでしょう。
気温 気温は、北・東・西日本で高い確率50%、沖縄・奄美で高い確率60%です。
降水量 降水量は、西日本日本海側で平年並または多い確率ともに40%です。
08月 天候 北日本では、天気は数日の周期で変わるでしょう。東・西日本と沖縄・奄美では、平年と同様に晴れの日が多いでしょう。
気温 気温は、北・西日本と沖縄・奄美で高い確率50%、東日本で高い確率60%です。
09月 天候 北・東日本と西日本日本海側では、天気は数日の周期で変わるでしょう。西日本太平洋側と沖縄・奄美では、平年と同様に晴れの日が多いでしょう。
気温 気温は、北日本で平年並または高い確率ともに40%、東・西日本と沖縄・奄美で高い確率50%です。

 

3か月の平均気温・降水量

平均気温(3か月) 降水量(3か月)
北日本 日本海側
低20 並30 高50
高い見込み
少30 並30 多40
ほぼ平年並の見込み
太平洋側
少30 並30 多40
ほぼ平年並の見込み
東日本 日本海側
低10 並30 高60
高い見込み
少30 並30 多40
ほぼ平年並の見込み
太平洋側
少30 並30 多40
ほぼ平年並の見込み
西日本 日本海側
低10 並30 高60
高い見込み
少20 並40 多40
平年並か多い見込み
太平洋側
少20 並40 多40
平年並か多い見込み
沖縄・奄美
低10 並20 高70
高い見込み
少30 並40 多30%
ほぼ平年並の見込み
数値は予想される出現確率(%)です 気温画像 降水量画像

季節予報は、予測の確からしさに応じて、気温や降水量などを「低い(少ない)、平年並、高い(多い)」となる確率で表しています。
「平年並」がどの程度の値になるのかについては、参考資料(https://www.data.jma.go.jp/cpd/longfcst/sankou/zenpan3.html)をご覧ください。
文章による解説については、確率の大きさに応じた言葉で表現しています。詳しくは本資料末尾の「参考(確率予報の解説)」をご覧ください。

 

月別の天候の予想

7月の天気

  • 北日本と東日本日本海側では、平年と同様に曇りや雨の日が多いでしょう。
  • 東日本太平洋側と西日本では、期間の前半は、平年と同様に曇りや雨の日が多いでしょう。期間の後半は、平年と同様に晴れの日が多いでしょう。
  • 沖縄・奄美では、平年と同様に晴れの日が多いでしょう。

8月の天気

  • 北日本では、天気は数日の周期で変わるでしょう。
  • 東・西日本と沖縄・奄美では、平年と同様に晴れの日が多いでしょう。

9月の天気

  • 北・東日本と西日本日本海側では、天気は数日の周期で変わるでしょう。
  • 西日本太平洋側と沖縄・奄美では、平年と同様に晴れの日が多いでしょう。

 

月別の平均気温と降水量

7月・8月・9月の平均気温

平均気温 07月 平均気温 08月 平均気温 09月
北日本
低20 並30 高50
高い見込み
低20 並30 高50
高い見込み
低20 並40 高40
平年並か高い見込み
東日本
低10 並40 高50
高い見込み
低10 並30 高60
高い見込み
低20 並30 高50
高い見込み
西日本
低10 並40 高50
高い見込み
低10 並40 高50
高い見込み
低20 並30 高50
高い見込み
沖縄・奄美
低10 並30 高60
高い見込み
低20 並30 高50
高い見込み
低10 並40 高50
高い見込み
数値は予想される出現確率(%)です 気温画像 気温画像 気温画像

 

7月・8月・9月の降水量

降水量 07月 降水量 08月 降水量 09月
北日本 日本海側
少30 並30 多40
ほぼ平年並の見込み
少30 並40 多30%
ほぼ平年並の見込み
少30 並40 多30%
ほぼ平年並の見込み
太平洋側
少30 並30 多40
ほぼ平年並の見込み
少30 並40 多30%
ほぼ平年並の見込み
少30 並40 多30%
ほぼ平年並の見込み
東日本 日本海側
少30 並30 多40
ほぼ平年並の見込み
40 並30 多30%
ほぼ平年並の見込み
少30 並30 多40
ほぼ平年並の見込み
太平洋側
少30 並30 多40
ほぼ平年並の見込み
40 並30 多30%
ほぼ平年並の見込み
少30 並30 多40
ほぼ平年並の見込み
西日本 日本海側
少20 並40 多40
平年並か多い見込み
少30 並40 多30%
ほぼ平年並の見込み
少30 並30 多40
ほぼ平年並の見込み
太平洋側
少30 並30 多40
ほぼ平年並の見込み
少30 並30 多40
ほぼ平年並の見込み
少30 並30 多40
ほぼ平年並の見込み
沖縄・奄美
40 並30 多30%
ほぼ平年並の見込み
少30 並30 多40
ほぼ平年並の見込み
少30 並40 多30%
ほぼ平年並の見込み
数値は予想される出現確率(%)です 降水量画像 降水量画像 降水量画像

 

予想される海洋と大気の特徴

  • 地球温暖化の影響等により、中緯度帯を中心に大気全体の温度がかなり高いでしょう。
  • ラニーニャ現象に近い海面水温分布となり、西部太平洋熱帯域では海面水温が高いでしょう。また、インド洋熱帯域でも海面水温が高く、インド洋熱帯域や西部太平洋熱帯域では積乱雲の発生が多いでしょう。
  • この影響により、上空にあるチベット高気圧は北東への張り出しがやや強く、偏西風は日本付近では平年よりやや北寄りを流れるでしょう。太平洋高気圧は北西への張り出しがやや強いでしょう。
  • これらのことから、日本付近は暖かい空気に覆われやすいでしょう。また、西日本を中心に太平洋高気圧の縁辺を回る湿った空気の影響を受けやすい時期がある見込みです。
地上気圧
数値予報結果をもとにまとめた予想される海洋と大気の特徴

 

06月(20日まで)の天候経過

  • 梅雨前線が南西諸島付近に停滞することが多かったため、沖縄・奄美では顕著な多雨・寡照となりました。
  • 一方、この時期としては高気圧が本州付近を中心に覆うことが多かったため、北・東・西日本では日照時間が多く、北日本と東・西日本日本海側では降水量が少なくなりました。
  • また、晴れて暖かい空気に覆われやすかった北・東・西日本では、気温が高くなりました。
気温降水量日照時間図

なお、7月の予報については、新しい資料による次回以降の1か月予報を適宜ご利用ください。

 

参考

確率予報の解説(ここでは確率予報を次のような言葉で解説しています)
出現確率(低い(少ない):平年並:高い(多い)) 解説
高い(多い)確率が50%以上 高い(多い)見込み
(20:40:40) 平年並か高い(多い)見込み
平年並の確率が50%以上 平年並の見込み
(40:30:30) (30:40:30) (30:30:40) ほぼ平年並の見込み
(40:40:20) 平年並か低い(少ない)見込み
低い(少ない)確率が50%以上 低い(少ない)見込み

source:気象庁発表季節予報

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uPw

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