気象庁は5月1日、「2024年4月の天候」データと分析結果を公表し、全国の平均気温は平年を2度余り上回り、1898年の統計開始以降で「最も暑い4月に」なったと発表した。
4月の日本の平均気温の基準値(1991〜2020年の30年平均値)からの偏差は+2.76℃※で、1898年の統計開始以降、1998年(+1.97℃)を大幅に上回り、最も高い値(※)
気象庁によると、エルニーニョ現象の影響などで全国的に暖かい空気に覆われやすく、月平均気温平年差は北日本で+3.2℃、東日本で+2.7℃、沖縄・奄美で+2.6℃となり、北日本と東日本、沖縄・奄美では、気象庁の統計開始以降、4月として最も高くなった。
4月15日には新潟県三条市で最高気温32.5℃を観測、沖縄を除いてことし初の真夏日を記録した。また、4月28日には福島県伊達市で32.3℃、北海道の遠軽町生田原で30.1℃(北海道で史上2番目に早い4月の真夏日)を観測するなど北海道から沖縄までの87地点で、平均気温が統計開始以降、4月として最も高くなった。同日は京都市で2012年以来12年ぶりの真夏日も観測している。観測地点別では、全国153地点のうち半数以上の87地点で過去最高を記録した。
平均気温が高くなった理由として気象庁は、エルニーニョ現象の影響で、熱帯の暖かい空気が日本付近まで伝わったこと、北極付近の気圧が低く、中緯度の気圧が高い「正の北極振動」と呼ばれる状態が起き、北極付近の冷たい空気が日本付近まで到達しづらかったことが考えられると説明している。
※1898年以降観測を継続している気象観測所の中から、都市化による影響が小さく、特定の地域に偏らないように選定された15地点(網走・根室・寿都・山形・石巻・伏木(高岡市)・飯田・銚子・境・浜田・彦根・宮崎・多度津・名瀬・石垣島)の月平均気温データをもとに算出。
今年の夏の天気「全国的に暑い」気象庁2024年夏・暖候期予報