ノートルダム大聖堂火災でローマ法王庁「衝撃的で悲しい」
ノートルダム大聖堂の火災について、ローマ法王庁は、大聖堂の火災は「衝撃的で悲しい」とコメントし、消火活動中のフランスの消防当局のために祈っていると述べました。
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火災発生からこれまで
消防隊が消火に当たっているが、すでに尖塔と屋根が崩落した。一方で、パリ消防当局の関係者によると、大聖堂の主要部分は無事だという。
炎が屋根を突き破ると共に、大きな爆発音が続いた。有名なステンドグラスの窓も破壊された。
消防当局は、大聖堂内の美術品の救出と北塔の崩落を阻止しようと尽力している。
出火原因はまだ明らかになっていないが、消防当局は改修工事との関連が考えられるとみている。
今のところ負傷者の報告はなく、当局は周辺の建物から全員を避難させた。
パリ検察庁は、「火災による偶発的破壊」について捜査を開始したと明らかにした。
パリ市内では複数の教会が、大聖堂の火災を受けて、鐘を鳴らしている。
フランスのカトリック教会は昨年、老朽化が進み、壁に亀裂が入るようになった大聖堂改修のため寄付を募った。
大聖堂を囲む通りには数千人が集まり、パリの名所が炎に包まれる様子を見つめている。涙を流す人も、聖歌を歌ったり祈ったりする人もいた。
エマニュエル・マクロン仏大統領は現場に駆けつけ、「すべてのカトリック教徒とすべてのフランス国民と共に」悲しんでいると話した。
「フランスの全国民と同じように、自分たちの一部が燃えているこの光景は悲しい」と、大統領は述べた。
大統領官邸の報道官によると、マクロン大統領は国民へ向けた重要なテレビ演説を予定していたが、大聖堂火災のためにキャンセルした。
大聖堂の広報担当は、建物全体が「燃えている」と話した。「大聖堂を守っているアーチが影響を受けるかどうか、まだ分からない」という。
歴史家のカミーユ・パスカル氏は仏テレビBFMTVに、「貴重な遺産」が火災で破壊されていると話した。
「大聖堂は800年にわたりパリを見守ってきた。嬉しいことも悲しいことも、何世紀にもわたり、ノートルダムの鐘が刻んできた」、「目の前の光景はひたすら恐ろしい」とパスカル氏は嘆いた。
パリのアンヌ・イダルゴ市長は、「中にはたくさんの美術品がある。(中略)本当に悲劇だ」と記者団に話した。また、市民には安全確保のため、消防当局が設けた立ち入り禁止区域に入らないよう呼びかけた。
12世紀から13世紀にかけて建立されたノートルダム大聖堂は、現在は年間1300万人近くが訪れ、来訪者はエッフェル塔より多い。
ドナルド・トランプ米大統領は、「水のタンクを飛ばしたらどうか」と消火方法を提案した。
アンゲラ・メルケル独首相は、ノートルダム大聖堂が「フランスとヨーロッパの文化の象徴」だと述べ、フランス国民への支援を申し出た。
テリーザ・メイ英首相はツイッターで、「フランスの人たち、そしてノートルダム大聖堂のこのひどい火災と戦っている救急関係者に思いを寄せています」と書いた。(BBC)
火災は大規模 出火原因は不明
(以下、火災発生直後からの現地報道要約)
現地メディアなどの報道によると、現地時間15日月曜日午後7時前(日本時間同午前2時前)、パリ中心部の世界文化遺産ノートルダム大聖堂から出火、これまでに天井と90メートルの尖塔の両方が崩壊しました。
地元消防によると、現在のところ出火原因は不明としており、フランス警察は事件と事故の両面から捜査に着手していると地元テレビが伝えています。
ノートルダム大聖堂は改装工事を行っており、建物の一部には足場がかけられていました。
市担当者によるとノートルダム大聖堂の周辺区域はすでに封鎖されている模様です。
フランス・カトリック教会は昨年、崩壊し始めていた大聖堂を救うための資金を緊急に求めていました。
パリの市長、Anne Hidalgoは、それを「恐ろしい火」と表現し、現場にいる人々が安全を確保するために消防隊員によって設定された境界線を守るするよう求めました。
教会のスポークスマン、Andre Finotはフランスのメディアに、13世紀に建てられた木製のインテリア全体が燃えており、破壊される可能性があると語った。
フランスのジャーナリスト、シャルリ・ジェームスは、「屋根は完全に崩壊し、トーチのように大聖堂から炎が出ている。後ろから炎が降り注いでいるように見える」と報じています。
フランス24は、パリの検察当局が火事がどのように始まったかについて調査を始めたと報じました。
合計680万ドルの改装工事が始まったばかりで、修理の一環として16の彫像が先週教会から一時的に撤去されたばかりでした。
マクロンフランス大統領はツイッターに「すべてのカトリック教徒とすべてのフランス人を考える。私たちのすべての市民と同様に、私たちのこの部分が今夜燃えるのを見るのは悲しい」と書き込みを行いました。
今週はイースターの聖週間で、大聖堂はフランスで最も重要なカトリックの場所です。
パリ市観光局によると、2017年には1200万人が大聖堂を訪れ、2017年にはパリで最も人気のある観光名所となっています。
AP通信によると、これまでのところ死者は報告されていないとのことです。
修復作業中の写真
Live中継
日本メディアの報道
NHK
フランスのパリ中心部にあるノートルダム大聖堂で現地時間の15日午後7時前、日本時間の16日午前2時前に火災が発生し、現在も火の勢いは収まっていません。
NHKのヨーロッパ総局の入っている建物の屋上のカメラからは大聖堂の中央部にあるせん塔や周辺の屋根が最も激しく燃えていて黒煙とともに赤い火が吹き出しているのが確認できます。
現在、現場では消火活動が続けられていますが火の勢いは収まっていません。
パリ市の消防局はNHKの取材に対し、大聖堂の屋根裏付近から火が出たとみられると話しています。
大聖堂では建物の外壁の周りに足場を組んで修復などの工事が行われていました。
火災の原因やけが人がいるかどうかについてはまだわかっていません。
ノートルダム大聖堂はパリ中心部を流れるセーヌ川の中州、シテ島にあり、850年余り前の1163年に着工したゴシック建築を代表する建物です。
1991年には周辺の歴史的な建築物などとともにユネスコの世界文化遺産に登録され、パリ屈指の観光名所として、日本人も含め多くの観光客が訪れることで知られています。
パリのイダルゴ市長は日本時間の16日午前2時半ごろ、ツイッターで「ノートルダム大聖堂で大規模な火災が起こっていて消防が対応にあたっている。現場周辺には近づかないよう注意を呼びかけている」とコメントを発表しました。
ノートルダム大聖堂とは
ノートルダム大聖堂はパリの中心部を流れるセーヌ川の中州のシテ島にあり、観光名所のひとつになっています。
今から850年余り前の1163年に着工したゴシック建築を代表する建物で、一時、ヨーロッパの大半を勢力下に置いたフランスの皇帝ナポレオン1世の戴冠式(たいかんしき)が行われたことでも知られています。
トランプ大統領「恐ろしい」
アメリカのトランプ大統領は、フランスのパリにあるノートルダム大聖堂で火災が起きたことについて15日、ツイッターに「パリのノートルダム大聖堂の大規模な火災を見るのはとても恐ろしい」と書き込みました。
そして、「消火するには上空から放水するのがよいかもしれない。いち早く行動しなければ!」として、迅速な対応が必要だとの考えを示しました。
共同
パリ中心部の観光名所ノートルダム寺院で15日、大規模な火災があり、フランスのテレビは屋根が激しく炎上する映像を伝えた。
地元メディアによると、寺院で行われていた改修工事に関連して火事が発生した可能性があるという。
セーヌ川のシテ島にあるノートルダム寺院は12世紀に工事が始まり、14世紀に完成。ゴシック様式の建築はフランスの美術史上極めて重要な位置を占め、多くの観光客が訪れる。付近のセーヌ川一帯がユネスコの世界文化遺産に登録されている。
SNS
Fires coming out of the #Notre_Dame cathedral. pic.twitter.com/zTxnf75nOS
— Firas El Echi (@FirasElEchi10) April 15, 2019
#NotreDame on fire ? pic.twitter.com/2o6fdFmLbC
— Liam Taylor (@LiamMTaylor) April 15, 2019
Smoke billowing from Notre Dame Cathedral in Paris, France. pic.twitter.com/mvx4jN19fH
— David Almacy (@almacy) April 15, 2019