フィラデルフィアでタンクローリー火災後、交通量の多い州間高速道路95号線の一部が崩壊
フィラデルフィアで日曜早朝（現地2023年6月11日）、可燃性の貨物を積んだタンクローリーが火災に見舞われ、州間高速道路95号線の高架区間が崩壊、東海岸の南北幹線道路の交通量の多い区間が無期限に通行止めになったと当局が発表した。
交通当局は大規模な遅延や道路閉鎖を警告し、運転手に市の北東角の地域を避けるよう呼び掛けた。当局者らは、タンクローリーには数百ガロンのガソリンに相当する石油製品が積まれていたと述べた。火災は鎮火するまでに約1時間かかった。
フィラデルフィア消防署の大隊長デレク・ボウマー氏によると、州間高速道路95号線の北行き車線はなくなり、南行き車線は火災の熱で「危険にさらされた」という。火災からの流出物、あるいはおそらくガス管の破損により地下で爆発が引き起こされたと同氏は付け加えた。
州運輸省広報担当のブラッド・ルドルフ氏によると、午前6時15分ごろ、州間高速道路95号線の北行きの下にあるランプで何らかの衝突が起こり、火災の直上の北行き道路はすぐに崩壊したという。
南行きの車線も大きな被害を受けており、「現在、その状況を調査中だ」とルドルフ氏は語った。
ジョシュ・シャピロ知事は日曜夜、連邦資金の投入を早めるため月曜に災害宣言を発令する予定だと述べ、少なくとも1台の車両が依然として崩落した道路の下敷きになっていると述べた。
「私たちは火災と倒壊に巻き込まれた可能性のある個人の特定に今も取り組んでいます」と彼は述べた。負傷者の即時報告はなかった。
現場からのビデオには、巨大なコンクリートのスラブが州間高速道路95号線から下の道路に落下した様子が映っていた。シャピロ氏は、その地域上空での飛行確認では「まさに驚くべき惨状」を示したと語った。
神に感謝している
「州道95号線を走っていた運転手に怪我や死亡がなかったことを神に感謝している自分に気づきました」と彼は言う。
元フィラデルフィア警察巡査部長のマーク・フセッティさんは、同市の空港に向かって南に車を運転していたところ、高速道路上に濃い黒煙が立ち上っているのに気づいたと語った。彼が火災のそばを通り過ぎると、その下の道路が「陥没」し始め、顕著な窪みが生じ、それが現場を撮ったビデオで確認できた、と彼は語った。
彼はバックミラーで車の流れが止まるのを見た。その直後、高速道路の北行き車線が崩壊した。
「クレイジーなタイミングだった」とフセッティは語った。「あれほど早く座屈して崩壊するというのは、かなり驚くべきことだ。」
ルドルフ氏によると、州間高速道路95号線の崩壊した部分は、4年前に完了した2億1,200万ドルの再建プロジェクトの一部だったという。高速道路の再開に向けた当面の時期は未定だが、当局は取り組みを加速するために「埋め立て状況や仮設の建設」を検討するだろうと同氏は述べた。
ドライバーは43マイル（69キロ）の迂回運転を強いられたが、「平日よりは順調だった」とルドルフ氏は語った。崩落が日曜日に起こったという事実は渋滞の緩和に役立ったが、同氏は「すべての迂回エリアで交通が大幅に渋滞する」と予想していた。
日量交通は16万台 米国運輸安全委員会 調査官を派遣
ペンシルベニア州運輸長官のマイケル・キャロル氏は、I-95区間は1日当たり約16万台の車両が通行しており、ペンシルベニア州で最も交通量の多い高速道路である可能性が高いと述べた。同氏は、崩壊した部分をできるだけ早く撤去するため、作業を夜通し続けると述べた。
シャピロ氏は、ピート・ブティジェッジ米国運輸長官と直接話をし、同氏が「重要な道路」と呼ぶ道路を可能な限り安全かつ効率的に再建するための連邦資金の迅速な調達に「全く遅れはない」と保証されたと述べた。
しかしシャピロ氏は、州間高速道路95号線の完全な再建には「数か月」かかると述べ、その間当局は「地域内に交通を確保するために州間高速道路95号線の両側を接続する暫定的な迂回路の建設」を検討していると述べた。
ホワイトハウス報道官のカリーヌ・ジャンピエール氏はツイッターへの投稿で、ジョー・バイデン大統領が崩壊について説明を受け、ホワイトハウス当局者が支援を提供するためにシャピロ氏とジム・ケニー・フィラデルフィア市長の事務所と連絡を取っていると述べた。ブティジェッジ氏はソーシャルメディアへの投稿で、この橋を「人と物資の主要動脈」と呼び、閉鎖は「再建と復興が完了するまで市と地域に重大な影響を与える」と述べた。
国家運輸安全委員会は、火災と倒壊の調査のためチームを派遣すると発表した。
デラウェア州とニューヨーク市の間の州間高速道路95号線を走行するほとんどのドライバーは、崩落が発生した州間高速道路の区間ではなく、ニュージャージー～ターンパイクを利用する。
2018 年まで、ドライバーはペンシルベニア州I-95とニュージャージー州I-95の間を高速道路で直接接続されていなかった。ある場所から別の場所に移動するには、信号のある数マイルの一般道路を使用しなければならなかった。
デラウエア川への流出を懸念
当局はまた、近くのデラウェア川への流出による環境への影響も懸念していた。
崩壊現場近くのデラウェア川で光沢が見られた後、沿岸警備隊は物質を封じ込めるためにブームを配備した。ジョシュ・ルドゥ少尉は、タンカーの容量は8,500ガロンだったが、中身は環境中に拡散していないようだと述べた。
「水路に関して言えば、それは封じ込められており、事態は制御下にあるようだ」と彼は言った。
フィラデルフィア緊急事態管理局のディレクター、ドミニク・ミレレス氏は、火災現場の上には数千トンの鉄鋼とコンクリートが積み上げられており、瓦礫の撤去を開始するには建設重機が必要になるだろうと述べた。
この火災は、1996年3月にフィラデルフィアで発生した別の火災と驚くほど似ていた。このときは州間高速道路95号線の下にある不法投棄されたタイヤから火災が発生し、ガードレールが溶け、歩道が座屈しました。
高速道路は数週間閉鎖され、部分的な通行止めは6か月間続いた。10代の若者7人が放火の罪で起訴された。フィラデルフィア・インクワイアラー紙の報道によると、ダンプの所有者は懲役7年から14年の判決を受け、修理費650万ドルのうち300万ドルの支払いを命じられたという。
直近では、アトランタで2017年3月に州間高速道路85号線の高架部分が火災で崩壊し、市の中心部を通る交通量の多いルートが閉鎖された。ホームレスの男性が火災を起こしたとして告発された。しかし連邦捜査当局は報告書の中で、可燃性の建設資材を高速道路の下に保管するという州運輸局の慣行が火災の危険性を高めたと述べた。
※座屈：座屈（ざくつ、buckling）は、構造物に加える荷重を次第に増加すると、ある荷重で急に変形の模様が変化し、大きなたわみを生ずることをいう（座屈：Wikipedia）
現地報道 動画
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