米太平洋岸に記録的熱波 オレゴン州で47.2℃
記録的な熱波に見舞われている米太平洋岸北西部は28日も猛暑が続き、オレゴン州ポートランドとセーラム、ワシントン州シアトルで気温が摂氏40度を超え、観測史上最高を記録した。
オレゴン州都セーラムの最高気温は47.2度に達し、1890年代に観測を開始して以来の最高を記録した。
隣接するワシントン州のシアトル・タコマ国際空港は41.0度と、前日の最高記録を塗り替えた。
ポートランドの空港では46.1度に上昇し、3日連続で観測史上最高を更新。米国立気象局(NWS)によると、それ以前の最高は1981年に付けた41.6度だった。
NWSは「今日はシアトルやポートランドなどの場所が、史上最も暑い日として記憶されるだろう」と指摘。熱波は29日にも和らぎ始める可能性があるとした。
米北西部とカナダの上空を覆う高気圧が猛暑の原因とされている。
ポートランドは通常、雨が多く日照時間が短いことで知られており、猛暑への備えが手薄い。
市内の店舗ではエアコンが売り切れ、氷も品切れが相次いだ。
バーやレストランは調理場の換気扇が気温上昇に対応できず、調理スタッフにとって危険な状況となっため、休業を余儀なくされた。
オレゴン州のブラウン知事は市民が涼める場所を設けるために映画館、プール、ショッピングモールの新型コロナウイルス関連規制を緩和した。ただ、ポートランドの公園・レクリエーション局は、複数のライフガードが猛暑による体調不良を訴えたため、28日に公共プールを閉鎖した。
NWSによると、熱波はカスケード山脈の西側で29日までに多少和らぐ見込みだが、東側では今週いっぱい続くとみられる。
ペンシルベニア州立大学のマイケル・マン氏は、気候変動の影響で熱波は強まり、頻度が増していると述べ、「地球が温暖化すれば、極端な熱波が増える」と解説。異常気象は未踏の領域に入りつつあると予想する。
米東部のニューヨークやボストン、フィラデルフィアでも、4000万人以上に対して熱波への警戒が呼びかけられている。オレゴン州やワシントン州ほど極端な暑さにはならないまでも、北東部でも記録的な暑さを観測する可能性がある。7月1日には気温は下がる見通しだ。
熱波が続く中、熱中症による死者が増える恐れもある。ポートランドがあるマルトノマ郡では25~27日にかけ、熱波に関連して患者が医療機関で救急治療を受けた件数は少なくとも43件に上った。例年のこの時期であれば、熱波による受診は1~2人にとどまるという。
米北西部を襲う熱波、異常気象は未踏の領域に
太平洋に面した米北西部が、まだ7月にもならないうちから異常な熱波に見舞われている。
オレゴン州ポートランドに住むブリー・オズウェルさん(44)は、気温がカ氏100度(セ氏約38度)を突破する中で、毛布やタオルをかき集めて窓に張り付け、日光をさえぎった。
ポートランドで育ったオズウェルさんは、例年のように発生する山火事や熱波などの異常気象に対し、「まるでロックダウン(都市封鎖)みたいだけれど、マスクの着用やワクチン接種では解決できない」「いつまでも続くみたいで恐ろしい」と不安そうな様子だった。
例年であれば1年で最も暑くなるのは7月だが、ポートランドの気温は既に3日連続で史上最高を記録した。ワシントン州シアトルでも27日に史上最高を観測。カナダのブリテュッシュコロンビア州リットンの27日と28日の気温も平年を大幅に上回り、史上最高を更新した。(CNN20210629)
米北西部で記録的熱波、エアコン売り切れ続出 シアトルは過去最高40度
米北西部が27日、記録的な熱波に見舞われた。オレゴン州の最大都市ポートランドでは44.5度と、1940年の記録開始以来の最高気温が観測され、隣接するワシントン州の最大都市シアトルでも過去最高の40度を記録した。エアコンや氷が売り切れとなり、閉店するレストランやバーもみられた。