気象庁 線状降水帯の予測精度向上に「新スパコン」稼働
降水帯予測のスパコン公開 気象庁、精度向上に活用
気象庁は23日、局地的な豪雨をもたらす線状降水帯の予測のために1日から稼働している新たなスーパーコンピューターを報道陣に公開した。計算能力は従来機の約2倍。昨年6月に始めた予報の的中率は4回に1回程度で、課題となっている精度向上に役立てる。
群馬県館林市の施設で公開された。高さ約2メートルの箱が連なり、計約9200のサーバーが稼働。気象庁の担当者は「国民に的確な情報を出し、防災を支援したい」と話した。
気象庁によると、予測に使う数値予報モデルと呼ばれるプログラムの計算単位が、これまでの5キロ四方から2キロ四方と細かくなり、積乱雲の予想推移がモニターで精緻に表現できる。
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気象庁は24日、局地的な豪雨をもたらす線状降水帯の予測精度向上のため、新たなスーパーコンピューターを導入し、3月1日から稼働させると発表した。
計算能力は現在運用中のスパコンの約2倍という。
昨年6月から始めた線状降水帯の予報は4回に1回程度の的中率で、精度向上が課題となっていた。
気象庁によると、気象予測には数値予報モデルと呼ばれるプログラムが使われ、線状降水帯の予測では、気象庁のスパコンと理化学研究所の「富岳」が計算に関わる。
今回導入する高性能のスパコンでは、計算範囲が5キロ四方から2キロ四方に細かくなり、降水予測を高精度化する。
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「線状降水帯予測スーパーコンピュータ」を稼動開始します|気象庁
報道発表日
令和5年2月24日
概要
3月1日に「線状降水帯予測スーパーコンピュータ」を稼動開始します。このスーパーコンピュータを活用し、今後の線状降水帯の予測精度の向上及び情報の改善に順次つなげ、防災活動の支援の強化に取り組んで参ります。
本文
気象庁では、防災気象情報の発表のために、スーパーコンピュータ上で数値予報モデルによる気象予測の計算を行っており、喫緊の課題である線状降水帯の予測精度向上のために現在運用中のスーパーコンピュータの約2倍の計算能力をもつ「線状降水帯予測スーパーコンピュータ」を3月1日に稼動開始します。
現在、線状降水帯による大雨の可能性の半日前からの呼びかけを行う際、その判断には主に水平解像度が5㎞の数値予報モデル(メソモデル)の計算結果を用いていますが、線状降水帯を構成する個々の積乱雲を精緻に表現し予測精度を向上させるため、より細かな解像度での計算が可能なスーパーコンピュータを導入しました。
これにより、令和5年度には水平解像度2kmの数値予報モデル(局地モデル)を半日前からの呼びかけにも利用できるようにします。また、令和7年度には水平解像度をさらに細かく1kmに高解像度化することを目指して、数値予報モデルの開発を進めます。
新しいスーパーコンピュータの高い計算能力の活用による数値予報モデルの高度化を、令和6年度開始予定の都道府県単位での半日前からの呼びかけをはじめとする情報の改善に順次つなげ、防災活動の支援の強化に取り組んで参ります。
報道発表資料
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