気象庁に記録が残る125年間で今年の夏の平均気温が最も高温に
気象庁は9月1日、「2023年夏(6月~8月)」の天候についてのまとめを発表しました。
この夏の平均気温は北日本・東日本・西日本でかなり高く、日本全国の平均気温は、記録の残る1898年以降で、夏の期間として最も高温となりました。
今夏の降水量は東日本と西日本の太平洋側、そして沖縄・奄美で多かった一方で、北日本の太平洋側では平年よりも少なくなりました。
また、2023年夏の日照時間は北日本と東日本の日本海側及び北日本と東日本の太平洋側でかなり多くなりましたが、沖縄・奄美地方では少なかったとしています。
今夏の気温の平年差は+1.76℃で過去最高を更新
具体的には、夏(6月~8月)の平均気温が、平年を示す基準値(1991~2020年の平均)をプラス1.76℃上回り、1898年の統計開始から125年で最も高くなりました。
これまでの最高は2010年のプラス1.08℃でした。
6月~8月の各月の平均気温との差では、6月はプラス1.22℃で統計史上2位、7月はプラス1.9℃で1位、さらに8月もプラス2.16℃で1位の記録です。
気象庁の異常気象分析検討会は、太平洋高気圧の勢力が強く、温暖化の影響があったとしており、「夏全体で見て異常だった」としています。
なお、北日本では、月平均気温の平年差がプラス2.2℃で、1946年の統計開始以降、6月として1位の高温となっています。
今年は春(3~5月)の期間も過去最高でした。
2023年は猛暑日の累計回数も過去最多
最高気温35度以上の猛暑日は、全国915観測点の累計で8月末までに6691地点で、2010年以降の年間で1位だった2018年の6487地点を上回り過去最多の値を更新しました。
また、128の観測地点で最高気温の観測史上1位の値を更新しました。
最低気温では、新潟県糸魚川市で8月10日に最低気温31.4℃を観測し、最低気温の全国の歴代最高を更新しました。
2023年の夏の期間の「猛暑日」最多は、群馬県桐生市で39日間でした。
夏の平均気温の地域別月ごとの偏差
・北日本では6月の月平均気温の平年差がプラス2.2℃で、1946年の統計開始以降、6月として1位の高温となった。
・北日本では7月の月平均気温の平年差がプラス2.8℃で、1946年の統計開始以降、7月として1位の高温となった。
・北日本では8月の平均気温平年差はプラス3.9℃、東日本では8月の月平均気温平年差がプラス2.1℃で、1946年の統計開始以降、北日本・東日本共に8月として1位の高温となった。
気象庁報道発表 夏(6~8月)の天候
報道発表日
令和5年9月1日
概要
2023年(令和5年)夏(6~8月)の日本の天候は、夏の平均気温は北・東・西日本でかなり高くなりました。日本の平均気温は1898年以降で夏として最も高くなりました。夏の降水量は東・西日本太平洋側と沖縄・奄美で多かった一方、北日本太平洋側で少なくなりました。夏の日照時間は北・東日本日本海側と北・東日本太平洋側でかなり多かった一方、沖縄・奄美で少なくなりました。
本文
2023年(令和5年)夏(6~8月)の天候の特徴は以下のとおりです。
- 夏の平均気温は北・東・西日本でかなり高くなりました。日本の平均気温は1898年以降で夏として最も高くなりました
北日本を中心に暖かい空気に覆われやすく、南から暖かい空気が流れ込みやすかったため、夏の平均気温は北・東・西日本でかなり高くなりました。1946年の統計開始以降、夏として北日本と東日本で1位、西日本で1位タイの高温となりました。また、15地点の観測値による日本の平均気温偏差は+1.76℃となり、1898年の統計開始以降で最も高かった2010年(+1.08℃)を大きく上回り、夏として最も高くなりました。 - 夏の降水量は東・西日本太平洋側と沖縄・奄美で多かった一方、北日本太平洋側で少なくなりました
梅雨前線や台風第6号、第7号などの影響を受けたため、夏の降水量は東・西日本太平洋側と沖縄・奄美で多くなりました。一方、高気圧に覆われやすく晴れた日が多かった北日本太平洋側で少なくなりました。 - 夏の日照時間は北・東日本日本海側と北・東日本太平洋側でかなり多かった一方、沖縄・奄美で少なくなりました
高気圧に覆われやすく晴れた日が多かったため、夏の日照時間は北・東日本日本海側と北・東日本太平洋側でかなり多くなりました。一方、8月上旬に台風第6号の影響を受けた沖縄・奄美で少なくなりました。
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