気象庁は、2023年12月11日、エルニーニョ監視速報(No.375)を発表しました。
⏩️エルニーニョ現象 2024年春の間に終息の可能性高い 気象庁発表
冬の間はエルニーニョ現象が続く可能性が高い(90 %)
発表によると、今年の春に発生したエルニーニョ現象は現在も続いていて、今後、冬の間はエルニーニョ現象が続く可能性が高く(90 %)、春の間は続く可能性と平常の状態になる可能性が同程度である(50 %)、と予測しています。
エルニーニョ監視速報概要
11月の実況
今年の春からエルニーニョ現象が続いている。
11月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値からの差は+2.3◦Cで、先月からの大きな変化はなく基準値より高い値だった。
エルニーニョ現象発生の判断に使用している5か月移動平均値の9月の値は+2.1◦Cで、4月から6か月連続して+0.5◦C以上となり、エルニーニョ現象の定義を満たした。
太平洋赤道域の海面水温は日付変更線付近から東部で高かった。
海洋表層の水温は太平洋赤道域の中部から東部で平年より高く、西部で平年より低かった。
太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動は平年より活発で、中部太平洋赤道域の大気下層の東風(貿易風)は平年より弱かった。
このような太平洋赤道域の海洋と大気の状態は、成熟したエルニーニョ現象時の特徴を示している。以上から、今年の春からエルニーニョ現象が続いている。
今後の見通し
今後、冬の間はエルニーニョ現象が続く可能性が高く(90%)、春の間は続く可能性と平常の状態になる可能性が同程度である(50%)。
実況では、太平洋赤道域の中部から東部にみられる海洋表層の暖水が、東部の海面水温が高い状態を維持している。
大気海洋結合モデルは、エルニーニョ監視海域の海面水温が冬の前半までピークを維持し、後半からは西部の冷水の東進に伴い次第に下降し、春の間に基準値に近い値に遷移する可能性があると予測している。
以上のことから、今後、冬の間はエルニーニョ現象が続く可能性が高く(90%)、春の間は続く可能性と平常の状態になる可能性が同程度である(50%)。
11月の日本と世界の天候への影響
■日本
エルニーニョ現象時の特徴は明瞭には見られなかった。
■世界
中米、ブラジル南東部、インドネシア、インド南部、マダガスカル周辺の高温、アルゼンチン東部の多雨が、エルニーニョ現象時の特徴に一致していた。
エルニーニョ監視速報気象庁報道発表
エルニーニョ監視速報(No.375)について
2023年11月の実況と2023年12月〜2024年6月の見通し
報道発表日
令和5年12月11日
概要
- 今年の春からエルニーニョ現象が続いている。
- 今後、冬の間はエルニーニョ現象が続く可能性が高く(90%)、春の間は続く可能性と平常の状態になる可能性が同程度である(50%)。
本文
今年の春に発生したエルニーニョ現象が続いています。
今後、冬の間はエルニーニョ現象が続く可能性が高く(90%)、春の間は続く可能性と平常の状態になる可能性が同程度である(50%)、と予測しています。
以上を内容とする「エルニーニョ監視速報(No.375)」を本日14時に発表しました。
資料全文
エルニーニョ監視速報(No.375)について 気象庁(PDF)
エルニーニョ現象・ラニーニャ現象について