気象庁は10日、南米沖太平洋の海面水温が低くなり、世界的な異常気象の原因とされる「ラニーニャ現象」が終息しつつあるとの監視速報を発表しました。
今年の冬(2022年~23年)の終わりまでに、平常の状態になる見込みとしています。
⏩️ラニーニャ現象終息 2023年夏はエルニーニョ発生と平常が同程度
ラニーニャ終息へ 夏にかけては「平常」と「エルニーニョ発生」可能性がいずれも50%
夏にかけては、「平常の状態の継続」と「エルニーニョ現象発生」の可能性がいずれも50%で、2023年の夏に向かって5割の確率でエルニーニョ現象が発生する可能性があるとしました。
エルニーニョ現象が発生すると、日本付近では、夏季に太平洋高気圧が北に張り出しにくい状況となり、気温が低く、日照時間が少なくなる傾向となります。→ エルニーニョとラニーニャ名前の意味と解説
太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけての監視海域では、1月の海面水温は基準値より0.4度低く、2022年12月より基準値との差が縮まりました。
気象庁は、ラニーニャ現象は2021年秋から続いており、2023年1月下旬の大雪は、同現象の影響もあったとみられています。
エルニーニョ監視速報(No.365)気象庁
報道発表日
令和5年2月10日
概要
- 2021年秋から続いているラニーニャ現象は終息しつつある。
- 今後、ラニーニャ現象は冬の終わりまでに終息して平常の状態になる可能性が高い(90%)。
- その後、夏にかけてエルニーニョ現象が発生する可能性と平常の状態が続く可能性が同程度である(50%)。
本文
1月の太平洋赤道域の海洋と大気の状態は、2021年秋から続いているラニーニャ現象は終息しつつあります。
今後、ラニーニャ現象は冬の終わりまでに終息して平常の状態となる可能性が高く(90%)、その後、夏にかけてエルニーニョ現象が発生する可能性と平常の状態が続く可能性が同程度である(50%)と予測しています。
以上を内容とする「エルニーニョ監視速報(No.365)」を本日14時に発表しました。
エルニーニョ監視速報(No.365)資料全文
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