4月18日午後1時1分頃 台湾東部でM6.1
2019年4月18日午後1時11分頃(現地)、台湾東部でM6.1の地震が発生した。
台湾中央地震気象管理報告センターによると震源地は花蓮県政府の北西に10.6 kmの花蓮県西林郷付近で、地震の深さは18.8km。
最大震度は、花蓮県で7、台中市南投県、宜蘭県で5、台北市で4、新竹市と嘉義市で3、桃園市と高雄市で2。
中国地震ネットワークによれば、地震の規模はM6.7、地震の深さは24kmとしている。
杭州、温州、南京、上海などのインターネットユーザーは強い衝撃を受け、高層ビルが揺れていると会社の従業員がオフィスビルを駆け抜けた。
地震の影響で、台北MRTと桃園空港MRTは運転を停止。台北MRTは、駅全体が一時停止され、MRTがセキュリティチェックを実施、駅のスタッフの指示に従うように駅内に告知された。
空港の運営を担当する桃園マスラピッドトランジット株式会社は、安全確認の完了を待ってから手動で最寄りの駅まで運転し、乗客を降車させた。
台湾鉄道によると、宜蘭から南澳間按までは地震レベル5の対応に従って完全に運行を停止した。
台湾の高速鉄道は台北 – 桃園間の合計2つの列車が震災後一時的に停車し、安全であることが確認された後に再開された。
台北のビルでは地震によりビルの建物全体が傾き、隣接するビルと建物同士が接触する状態となったため、直ちに避難が行われた。
震源に近い一部地域では停電が発生しているという。
蘇花高速道路が172km区間に渡って閉鎖
看中國などが伝えたところによると、蘇花高速道路(蘇花公路:台湾東部の宜蘭県と花蓮県の間を南北に走る省道の愛称)の172km区間が閉鎖されている。閉鎖理由は、散発的な落石が複数の区間で発生しているためとしている。
現地報道では、建物からのコンクリート片の崩落やガラスの飛散、ガス漏れなどの通報が相次いでいるとしている。インターネット上の掲示板やSNSでも、同様の被害の情報が増えてきているという。
なお、発災からおよそ3時間が経過した午後4時時点で、死者・負傷者、建物の倒壊やインフラ・道路の損害など詳しい被害状況は発表されていないが、複数のけが人が出ており救助活動が行われているとしている。
日本国内の報道
NHK 2019年4月18日 15時02分
台湾の中央気象局によりますと、現地時間の18日午後1時ごろ、日本時間の18日午後2時ごろ台湾東部で地震がありました。
震源地は東部・花蓮県で震源の深さは18.8キロ、地震の規模を示すマグニチュードは6.1と推定されています。
台北市内にあるNHKの支局でも横揺れを感じ、床に積み重ねてあった本が崩れるなどしました。
台湾メディアによりますと、この地震で台北市内の地下鉄の全線で運転を見合わせているということです。
花蓮県では、去年2月にもマグニチュード6.4の地震が発生して、17人が死亡しています。
台湾では、ここ最近、東部を中心に地震が相次でいて、警戒が続いていました。
地元テレビ 地震後の映像を放送
台湾のテレビ局は、スーパーマーケットの店内で棚から缶が落ちて散乱している様子や瓶が割れている様子を伝えています。
また、地震が起きた直後とみられる列車の駅の構内の映像では、多くの利用者が急いで避難しようとしている様子も映し出されています。
土砂崩れやビルの壁はがれる被害伝える
台湾のテレビ局TVBSは、震源地周辺の山間部で土砂崩れが起きたほか、台北市内ではビルの壁のタイルがはがれ落ちる被害が出ていると伝えています。
花蓮市の住民「20秒近く揺れた」
震源地からおよそ10キロ離れた花蓮市の沿岸部で民宿を経営している片桐秀明さんは「突き上げるような揺れを2、3回感じた。揺れは20秒近く続いたが、民宿の中でものが落ちるようなことはなかった。去年、起きた地震に比べると揺れは小さいように感じたが、周辺の被害の状況はまだ分からない」と話していました。
花蓮県の観光ガイド「突き上げる揺れ」
震源地に近い台湾東部の花蓮県に住み、日本語の観光ガイドをしている播磨憲治さんは、「数日前から地震が続いていたが、今回は特に大きかった。突き上げるような揺れを感じ、家の中では壁に掛けた絵などが落ちてきた。近所の人たちも慌てて家の外に出てきていた。電気や水道などには今のところ影響はありませんが、内陸の観光地では落石があったという情報も聞いているので、とても心配です」と話していました。