2つの火山が同時噴火、38年ぶり 観測所の施設に影響 米ハワイ
米ハワイ州ハワイ島で、隣接する2つの火山が同時に噴火するという珍しい現象が観測されている。米地質調査所(USGS)によると、38年ぶりに噴火した世界最大の活火山、マウナロア火山からは29日、新たに2本の溶岩流が流れ出した。
同火山の噴火を受け、ハワイ州のデービッド・イゲ知事は29日、非常事態を宣言した。
マウナロア火山に隣接するキラウエア火山は、1年以上前から噴火が続いている。両火山の距離は約34キロ。同時噴火は前回マウナロア火山が噴火した1984年以来だった。
国立公園によると、いずれの噴火でも周辺の住宅やインフラに影響は出ていない。しかし保健当局は、火山性ガスなどの有害物質によって大気汚染が悪化する恐れがあるとして警戒を促した。
USGSによると、28日にマウナロア火山で観測された溶岩噴火は高さ約60メートルに達した。
ハワイ緊急事態管理局によれば、マウナロア火山に28日生じた3カ所の亀裂のうち、1カ所からは29日午前現在も溶岩の噴出が続いている。さらにこの夜にかけ、4番目の亀裂が生じて少量の溶岩が噴出し、マウナロア観測所への電力供給が断たれ、観測所につながる道路が寸断された。
現時点で集落に危険が迫る状況にはなっていないものの、ハワイ州兵が待機状態に入り、州緊急事態管理局は緊急対策センターを設置した。
マウナロア火山の南東に位置するキラウエア火山は、2021年9月から噴火が続いているが、溶岩は火口内にとどまっている。(CNN202211301008)
ハワイ島のマウナ・ロア 1984年以来 38年ぶりに噴火
米ハワイ州ハワイ島にある世界最大の活火山マウナロア(Mauna Loa)が27日深夜、38年ぶりに噴火した。緊急対応当局は、近隣住民が被害を受ける恐れもあるとして警戒態勢を取っている。
標高4168メートルのマウナロアは、ハワイ火山国立公園(Hawaii Volcanoes National Park)内に位置している。噴火は27日午後11時30分(日本時間28日午後6時30分)ごろ発生した。
米地質調査所(USGS)は噴火から15分後の発表で、溶岩の流れは山頂のカルデラ内におおむね収まっているが、状況が変わった場合、周辺住民に被害が及ぶ可能性があると警告した。
USGSの火山監視室は噴火から数時間後の28日早朝、「山頂からは今も溶岩が噴出しており、カルデラからあふれ出ている。今のところ、住居地域への脅威はない」とした上で、火口がカルデラ壁の外に移った場合には溶岩が山腹を急速に移動する可能性もあるとして、周辺住民に注意を喚起した。
今後、ハワイ火山観測所(Hawaiian Volcano Observatory)が緊急事態管理当局と連携し、早急にマウナロア上空から調査を行う予定だという。
地元当局によると避難命令は出ていないが、山頂付近への立ち入りが禁止され、周辺の道路数本が閉鎖されたほか、予防措置として避難所2か所が開放された。
マウナロアの噴火は1984年以来。当時は22日間にわたって噴火が続き、溶岩流が人口4万4000人のヒロ(Hilo)から約7キロ離れた地点まで達した。(AFP202211290459JST)
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ハワイ島マウナロア火山噴火の影響に伴い、ハワイ時間2022年11月28日~12月4日の間にハワイ島コナ(KOA)、またはヒロ(ITO)を離発着するハワイアン航空便の航空券をお持ちのお客様は、手数料無しで変更を承ります。
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マウナロア噴火の熱画像を示すビデオ|Video showing thermal imagery from the 2022 Mauna Loa eruption which began around 11:30pm HST(USGS)
報道 動画 SNSなど
Hawaii leaders share Mauna Loa eruption updates|KITV
Mauna Loa Volcano Erupts In Hawaii|FOX
Mauna Loa Eruption: What’s Next in Hawaii for the World’s Largest Volcano|FOX
Hawaii’s Mauna Loa is erupting for the first time since 1984|CNN
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Hawaii’s Mauna Loa is erupting for the first time since 1984 | CNN
The world’s largest active volcano, Mauna Loa on H ...
edition.cnn.com
Mauna Loa volcano on the island of Hawai‘i began to erupt(USGS)
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Mauna Loa Has Begun Erupting | U.S. Geological Survey
On Sunday, Nov. 27, 2022, Mauna Loa volcano on the ...
www.usgs.gov
マウナ・ロア|Mauna Loa
ハワイ語:Mauna Loa
ハワイ諸島にある活火山であり、ハワイ島を形成する5つの火山のうちの1つ。
ハワイ語でマウナは山、ロアは長いという意味で、マウナ・ロアで「長い山」の意となる。
山頂にはモクアーヴェオヴェオ(ハワイ語: Mokuʻāweoweo)と呼ばれるカルデラがある。
マウナ・ロアの体積は約75,000 km3で(富士山は1,400 km3)、地球で最も体積の大きい山でもある。
マウナ・ロアは有史以来、30回を超える噴火が起こっており、1984年の3月から4月にかけて起こった噴火は世界的にも有名。
マウナ・ロアは楯状火山であり、その体積はおよそ75,000 km3と見積もられるが、その山峰は隣のマウナ・ケアより約35 m低い。
マウナ・ロアから噴出する溶岩は珪長質に乏しく非常に粘度が低い。そのために非爆発的なハワイ型噴火になる傾向にあり火山斜面の傾斜は極めてなだらかである。
火山は少なくとも70万年間にわたって噴火していて、約40万年前に海水準より上に現れた。しかし、岩石の年代測定で知られている最古のものは約20万年前である。そのマグマはハワイ・ホットスポットに由来し、このホットスポットは何千万年にもわたってハワイ列島を作る原因となってきた。太平洋プレートのゆっくりした動きはこの火山をホットスポットから最終的には引き離すため、火山は今から50万年から100万年以内に死火山となると考えられている。
マウナ・ロアの最も有名な噴火は1984年3月24日から1984年4月15日にかけて起こった。
最近の噴火による死者は出ていないが、1926年と1950年の噴火は複数の町を壊滅させた。そもそもヒロの一部は19世紀後半からの溶岩流の上に構築されている。人口集中地に及ぼす危険性を考慮して、マウナ・ロアは、世界でも危険性が高い火山の研究を奨励する防災十年火山プロジェクトの対象に選定されていた。
マウナ・ロアは1912年以来ハワイ火山観測所 (HVO) によって集中的にモニターされている。
大気の観測はマウナロア観測所で、太陽の観測はマウナロア太陽観測所で行われていて、両方がその山頂近くに位置する。
ハワイ火山国立公園はこの火山の山頂と南東麓をカバーし、別の火山であるキラウエアを含む。
直近には2022年11月27日に噴火が起き、噴火は現在継続中である(2022年11月28日現在)。
マウナ・ロアを登った最初のヨーロッパ人の記録は、1794年の博物学者アーチボルド・メンジーズ (Archibald Menzies)、ジョゼフ・ベイカー大尉 (当時) (Joseph Baker) ら4人によるものである[6][7]。気圧計を用いて、メンジーズはその標高を15 m以内の精度で計算した。
キラウエアとの関係
キラウエアはマウナ・ロアの南麓に位置し、かつてはマウナ・ロアの衛星火口だと考えられていた。
しかし、2つの火山が作る溶岩が化学的に異なることは、浅い部分にそれぞれ別のマグマ溜りを持つことを示す。ただし、両火山の活動パターンは相関しているとも解釈できる。
2つの火山間の分かりやすい相関として、一方の火山活動が活発な時期と他方の活動がおだやかな時期がそれぞれ重複するということである。たとえば、1934年から1952年の間、キラウエアは休止しマウナ・ロアだけが活発であったが、1952年から1974年の間は、キラウエアが活発でマウナ・ロアが休止していた。
1984年のマウナ・ロアの噴火はキラウエアが噴火している間に始まったが、キラウエアの噴火への影響は認識されなかった。しかし火山活動の間どうしに相関があるように火山がもう一方の活動に影響するように見えることもときどきある。
最近のマウナ・ロア山頂の膨張はキラウエアのプウ・オオ火口における新しい大規模な溶岩流が停止したのと同じ日に始まった。
地質学者たちはマウナ・ロア深部のマグマ供給系に注入されるマグマの「パルス」がキラウエア内部の圧力を増大させて噴火の引き金を引くのかもしれないと示している。
観測所
マウナ・ロアは全球大気監視計画や他の科学観測による大気モニタリングにとって重要な場所となっている。
マウナロア太陽観測所 (MLSO) は海抜3400メートルの北側の斜面に建設されており、太陽観測において優れた結果を残している。NOAAマウナロア観測所 (MLO) はそのすぐそばにある。
MLOは局地的な大気の影響を受けない高度に位置していることを利用して、温室効果ガス二酸化炭素を含む、全地球的な大気の観測を行っている。測定値は火山からのCO2放出量を調整される。大気中の二酸化炭素の割合の計測は1958年から行われており、地球温暖化に関するデータが収集されている。
2006年10月から、マイクロ波背景輻射非等方性観測アレイ (AMIBA) が宇宙の起源を調査している。