気象庁は、2023年6月9日14時、南米ペルー沖の海面水温が上がり、世界的な異常気象の要因となるエルニーニョ現象が4年ぶりに、2023年春に発生したとみられると発表しました。
⏩️エルニーニョ現象 2023年秋にかけて続く可能性高い(90%) 気象庁
エルニーニョ現象発生
気象庁によると、海面水温が平年を下回るラニーニャ現象が2月に終息した後も、エルニーニョ監視海域の海面水温の上昇が継続しているとしています。
夏にエルニーニョ現象が発生している場合、通例では、西日本の平均気温が平年より低く、また、北日本・東日本では平年並みか低くなる傾向となりますが、今年はラニーニャ現象終息からの期間が短く影響が残っていて、エルニーニョ現象が発生しても全国的な高温傾向は変わらないと予想しています。
気象庁は5月、「エルニーニョ現象が今後、夏までの間に発生する可能性が高い」と発表し、その確率を80%と予測していました。
5月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値からの差は+1.1℃ で、基準値より高い値となった。
太平洋赤道域の海面水温はほぼ全域で平年より高く、海洋表層の水温は太平洋赤道域のほぼ全域で平年より高かった。
不活発な状態が続いていた太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動は平年並みになり、中部太平洋赤道域の大気下層の東風は平年並みに弱まった。
気象庁は、このような大気と海洋の状況から、エルニーニョ現象が発生しているとみられるとした。
大気海洋結合モデルは、太平洋赤道域の中部から東部にかけて海洋表層の暖水をさらに強め、エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差が大きくなり、予測期間中、基準値より高い値で推移する可能性が高いと予測している。
気象庁は、以上のことから、今後、秋にかけてエルニーニョ現象が続く可能性が高い(90%)と予想。
エルニーニョ監視速報(No.369)報道発表 気象庁
2023年5月の実況と2023年6月〜2023年12月の見通し
報道発表日
令和5年6月9日
概要
- エルニーニョ現象が発生しているとみられる。
- 今後、秋にかけてエルニーニョ現象が続く可能性が高い(90%)。
本文
春の太平洋赤道域の大気にはエルニーニョ現象時の兆候が現れ、海洋にはその特徴がすでに現れていることから、エルニーニョ現象が発生しているとみられます。
今後、エルニーニョ監視海域の海面水温の平年差が大きくなり、秋にかけてエルニーニョ現象が続く可能性が高い(90%)と予測しています。
以上を内容とする「エルニーニョ監視速報(No.369)」を本日14時に発表しました。
なお、今月から、エルニーニョ監視速報に用いる海面水温データをより品質の高いものに変更します。
報道発表資料全文
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