気象予報

エルニーニョ現象は2024年5月までに終息 今後、ラニーニャ現象発生可能性は60%

エルニーニョ現象 エルニーニョ監視速報 No.381

気象庁は6月10日(金)、エルニーニョ監視速報(No.381 2024年5月の実況と2024年6月〜2024年12月の見通し)を発表しました。気象庁によると、4年ぶりに、2023年春に発生したエルニーニョ現象は2024年5月までに終息したとみられ、今後、秋にかけて平常の状態が続く可能性(40%)もあるものの、ラニーニャ現象が発生する可能性の方がより高い(60%)と予想しています。

 

エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値 出典:気象庁

エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値 出典:気象庁

図1 エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値
3月までの経過(観測値)を折れ線グラフで、大気海洋結合モデルによる予測結果(70%の確率で入ると予想される範囲)をボックスで示している。指数が赤/青の範囲に入っている期間がエルニーニョ/ラニーニャ現象の発生期間である。エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値はその年の前年までの30年間の各月の平均値。

 

2024年4月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値からの差は+0.8℃で、3月に比べて0.4℃下がりました。太平洋赤道域の海面水温は中部を中心に平年より高く、太平洋赤道域の海洋表層の水温は中部と東部で平年より低くなりました。

大気海洋結合モデルは、冷水の東進が続き、エルニーニョ監視海域の海面水温が次第に下降して春の間に基準値に近づくと予測しています。その後、太平洋赤道域の西部~中部で貿易風が強まるとともに中部~東部の冷水がさらに強まり、秋にかけてエルニーニョ監視海域の海面水温が基準値に近い値か基準値より低い値で推移すると予測しています。

以上のことから、この春の間にエルニーニョ現象が終息して平常の状態になる可能性が高い(90%)。その後、秋にかけて平常の状態が続く可能性もあるが(40%)、ラニーニャ現象が発生する可能性の方がより高い(60%)と予想しています。

 

5か月移動平均値が各カテゴリー(エルニーニョ現象/平常/ラニーニャ現象)に入る確率(%)出典:気象庁

5か月移動平均値が各カテゴリー(エルニーニョ現象/平常/ラニーニャ現象)に入る確率(%)出典:気象庁

図2 5か月移動平均値が各カテゴリー(エルニーニョ現象/平常/ラニーニャ現象)に入る確率(%)
エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値が+0.5℃以上/-0.4℃〜+0.4℃/-0.5℃以下の範囲に入る確率を、それぞれ赤/黄/青の横棒の長さで月ごとに示す。気象庁の定義では、5か月移動平均値が+0.5℃以上(-0.5℃以下)の状態で6か月以上持続した場合にエルニーニョ(ラニーニャ)現象の発生としているが、エルニーニョ監視速報においては速報性の観点から、実況と予測を合わせた5か月移動平均値が+0.5℃以上(-0.5℃以下)の状態で6か月以上持続すると見込まれる場合に「エルニーニョ(ラニーニャ)現象が発生」と表現している。

エルニーニョ監視速報(No.381)気象庁 大気海洋部

エルニーニョ現象 2024年春の間に終息の可能性高い 気象庁発表

 

エルニーニョ現象・ラニーニャ現象 2018年と2020年に「ラニーニャ現象」

エルニーニョとラニーニャ名前の意味と解説

2018年は2017年秋から2018年春にかけて、2020年は同夏から2021年春にかけてラニーニャ現象が発生。日本国内の歴代最高気温 観測史上1位は2018年・20年の41.1℃|日本最高気温

  • この記事を書いた人

uPw

-気象予報